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 酒はジャックダニエルだろうか。
 タバコは紙巻のゴロワーズ、テーブルには他にエアメールが見える。

 いってみれば、洒落た仕事のデキル男が、帰宅後の野球観戦で一人優雅に寛ぐというステレオタイプ。

 冒頭からこれだけのことをやっておいて黒人の暮らしなど考えようもない。

 薄っぺにもほどがある描写としか言えない。

 随分と高級な暮らをしているイメージをさせる感じにも思えるが、広告にある「値段」を気をつけて見ればよく分かる。
    

 約30万円。
 ビデオデッキは高いものだった。  当時流行っていたものはビクター特許のVHSだった。

 そして「マイコン」、「先進技術」などと仰々しい言葉が並んでいる。





 それにしても、仕事から帰って、深夜に録画しておいた野球中継で乾杯なんてライフスタイルだというのだが、それにもちょっと違和感はある。


 午前零時に帰宅というのもそのひとつだ。

 「仕事」や「つきあい」、つまり仕事上の付き合いで飲んで深夜に帰宅とはww。

 今からすればとても考えられない感じだろう。

 コロナがなくとも今では考えられない話だ。



 その上、録画という部分。

 ビデオ録画のパーソナルな利用というのがもはや当たり前になった今の我々の時代からするとどうだろうか。

 逆に、録画など野球には役に立たないだろうと今では思ってしまう。


 試合の結果を聞いてしまうと見る気などしない。

 やはり生で見たいものだと思うから。

 どうしたって今日の試合の結果なんてあちこちで見聞きしてしまうものだ。

 わざわざ試合結果を聞かないようにするというのもありがちだが、それも子供っぽいことをしてる気にならないでもない。とても大人じゃない。




 それに「ネット裏」なんて表現があるが、これはどういうことか(笑)。

 それはもちろん某掲示板とか「裏」、アンダーグラウンドのことではない(笑)。

 つまりバックネット。野球観戦ってことだ。

 確かに野球観戦はバックネット裏が一番よくて高い席らしかったが、そもそもテレビの野球中継というのはピッチャー側からのカメラではなかったか。


 バックネットをから見る映像というのはあまりないだろう。

 そちら側ではバッターも見えないしアンパイアもいる。

 ピッチャーは離れたところで小さいし、考えてしまうと「バックネット裏」なんて現代では「いい場所」という気はしない。



 この広告には色々と違和感があることに気が付く。


  それら全てが「時代」というやつなのか。

 よく見ればそういう違和感がある。