キングコング、ときたら「来襲」、とかではないのか(笑)。
ポイントは「史上最強」、「男=コング」というところらしいが、ちょっと違うと思う。
日本人にはピンとこないイメージだ。
キングコングは馬鹿っぽく、知恵の回らないピエロの役回りでしかない。
しかし実際、アメリカ人にはキングコングのような圧倒的なパワーというのが男らしいと思われている。
「総身に知恵が回りかね」そんな側面はまた別らしい。
パワーへの憧れが強いようだ。
この広告はアメリカ人的なセンスで作られた広告だと言える。
広告はキングコングは映画パンフからのコラージュのようだが、よく見ると手にはちゃんと美女がいる。
エンパイヤステートビルによじ登って、人類からの攻撃に立ち向かったコングだったが、この広告で登るのは酒の瓶だ。
ブランドとしてはもう昭和のこの頃でも普及し、よく名前は通っていたから、こんな遊びができたのだろうか。
広告の色使いはいい。赤背景で映える。
ちょっと遠めだとタバスコの宣伝のようでもあるが。
個人的にはコングと美女というテーマで広告を作って欲しかった。
キングコングは悲劇のストーリーだ。
どこかしらフランケンシュタイン的な要素がある。
ジャングルで王者だったコングが見世物として捕らえられ、コングを理解しようとし、慰謝してくれた人間の女性を頼りとして求める。
金髪女性とコング、そのあまりに不釣合いな愛だが、コングは人間の世界ではグロテスクなだけの怪物でしかなかった。
果たせぬ思いに王者コングは悲しみとともに街を暴れる。
人間に追い詰められた時、ふとかつてのジャングルのような摩天楼を見上げると、するすると登ってゆき頂上で勇者の雄たけび、最後の咆哮をあげる。
望郷の念、奪われた平和、人間たちのエゴと同居するシンパシー。
・・・ こんなところがキングコングのストーリーにあるものだ。
さて、それがケンタッキーバーボンとどう釣り合うか、ちょっと違うだろうとは思う。
この記事が悪くなかったらクリックをお願いします!