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 カセットテープには昭和の人はさんざん苦労させられたはずだw。

 オープンリールからコンパクトになって便利になったのはいいが、人々はカセットテープを使いこなしてなんとか自分のモノにしようと、あれこれ知恵を絞ったことだろう。

 これもそんな製品のひとつではあるのだが、傲慢と慢心が理由か、あまり普及しなかったようだ。

 こんなキャッチコピーで寄ってくる男もいまい。



 考えてみればライフスタイルにカセットが入り込んだと思ったら、わずか十数年、まだよく慣れないうちに、カセットテープというものは急に廃れてしまったというのが事実だろう。

 その証拠にデジタルへ変わった頃、その過渡期のようなものはまるでなかったからだ。

 CDやデジタルへと、一気に全てが変わった。

 このオーディオの世界でやっていた企業担当者は、このカセットテープの栄光がずっと続くとでも考えていたのだろう。

 こんなワインダーだって、「頭の回転の速い奴」なんて言わなければ、もっと受け入れられたはずなのだ。


 好みの音楽が流れる生活は素敵だ。

 リラックスし、気分が乗り、人生を変える。カセットテープはそのツールとしてはうってつけだった。

 
 ただ、業界がその影響力の大きさゆえに胡坐をかいて、チャンスを逃してしまった。

 いくつも売れるはずのものが出し惜しみされたためにに不発に終わった。もったいぶったために売れず、機会を逃したのだ。




 他に例えば、カセットデッキやテープレコーダーからテープを交換したりすることにしても、まだ進化の余地はあった。

 カーオーディオのテープだ。
 
 あれはとても便利なものだった。文句なしに使える機構だった。
 
 カセットを差し込むだけで再生し、取り出しも楽だった。

 気軽にテープを交換できるメカニズムだったのだが、しかしなぜか、家庭用であの機構を備えたものは作られなかった。

 メーカー各社がカーオーディオの機能を温存し、棲み分け、できるだけ高く売ろうとしていたのだった。

 そのところに、あっと言う間に他の波がやってきて大きな獲物を取り逃がしてしまった。




 企業は利益計画を立てるものだ。

 だんだんと値段がこなれてゆく傾向の業界地図を予測し、収益最大化を狙って温存したり出し惜しみをする。


 しかしチャンスを失えば今更という話になってしまう。

 「幸運の女神には後ろ髪はない。」 もっと早く出しておけばよかったなんて後悔しても始まらない。

 「良いものをより安く、より便利に」当たり前のことだ。


 ウォークマンが登場し、カセットテープのもうひとつのビジネスチャンスである「ユビキタス」的なものは華開くことができた。

 しかしデッキの世界はそれとは対照的だ。

 リバーシブル、オートチェンジャー、Wカセット、多重トラック、シングルトラック、デジタル、etc。

 多くの可能性を持った製品が出し惜しみされ、もっと大きな技術進化の潮流に飲み込まれて市場を広げる前に消えた。


 製品や企業の「栄枯盛衰」などと言われることがあるが、明らかに愚かな失敗に起因するものもある。


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