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  渡辺貞夫、いわゆるナベサダだ。

 どこかしら愛嬌のあるオッサンで、しかもそれがサックスの名手だというのだからたいそう人気があった。




 彼がキャラクターをやっているこのバイクは、当時でも珍しかったろう。

 イタリアにモトペットだかモペットというバイクがあって、自転車とバイクの中間みたいなものがあった。

 確か映画ローマの休日でもそんなのが写っている。

 主人公たちはスクーターであちこちを飛び回るのだが、その中に写っていたはずだ。その歴史は古い。

 その真似というか日本でローカライズしたモデルだ。「ソフトバイク」なんて言っているw。


 日本は免許の規制があったから、輸入しても免許がなくては乗れず、免許を持っているなら普通のバイクにみなは乗った。

 この頃は空前のバイクブームだった気がする。バイクが飛ぶように売れた。

 だから、遊び心のあるバイクというものも許され、それなりに売れた。




 現代消費社会では様々なモノが売られるが、それぞれの時代背景というものに強く影響される。

 時代に早すぎたものもあるし、遅すぎたものもある。あるいは時代の要請から出てくるものもある。


 余裕がある時代は「遊び心」が許され、求められる。ちょっとした洒落っ気のあるものが許容される。
 
 それを「余計なモノ」と定義のは卑近すぎるだろう。

 今ならモバイルのゲームやSNSほど余計な消費はないからだ。

 ただ、今の人々はこれに追い立てられている。
 そこに「余裕」はない。

 強迫観念からケータイのSNSにかぶりつき、これまでは必要のなかったコミュニケーションに飢え、歩きスマホをするのだ。

 コロナをきっかけとして、少しゆっくり、余裕のある暮らしが戻るだろうか。

 それとも先に豊かさを取り戻すのが先だろうか。そのためにいっそう追い立てられて。

 
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