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 よく見ると意外と刺激的な広告だ。

 サイパンへの南国旅行を誘う広告なのだが、上にあるのは日本、東京へ通勤する近郊住宅地の駅。団地なんかの駅。

 たぶん埼玉あたりだろう。 その駅の自転車置き場が写っている。


 毎日の通勤地獄、毎朝の通勤ラッシュ、大量に団地から吐き出され、うつろに電車に乗り込む人々。

 自転車で駅まで、大勢が後先もなく自転車を置く、その自転車置き場はまるでヘドロの海のように暗く雑多だ。

 疲れた顔をして汗を拭き拭き、電車に乗る。

 毎日の地獄。叫びたいぐらいになる鬱屈した日常。


 さあ、サイパンへ行こう、というわけだww。

 ・・・ 知るかw(笑)。




 現在でこの広告を解説すればそんな意味になるだろうが、まるでピンとこないだろう。

 嫌ならやめてしまえ。

 工夫もできず人と同じことをして苦しむのは当然だ。

 出勤すればそれで仕事したつもりか。アホらしい。収益に貢献できたかどうかを問え。


 団地住まいで人と同じところにわざわざ収まったのは誰だ。全ては自己責任。

 こんな昭和の生産性の低さをまざまざと思い出させる衆愚の光景。

 これを残酷にも見せ付けて、サイパンへと誘った。


 甘えた連中が、これでサイパンなどに行けば、まるで先進国からやってきたという顔をしてくつろぐという傲慢さがあったろう。

 しかし現地の連中のできることの十分の一もできることはない。

 無能で手慣づけられた豚どもが満足する、かりそめの南国旅行だ。



 サイパン現地の連中はそんなことは考えもしないで毎日を生きるだけだったろう。
 それは今でも変わらないはずだ。

 若者は女をバイクに乗せ、マーケットに向かう。


 「別世界」なのは暮らしが違うからだ。 自分を哀れむしかなかっただけの昭和の人々。


 途上国は人の命が軽い。いともたやすく人が逝ってしまう。

 昭和の日本には魂が死んでいた人々がいた。


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