自分の知り合いにジープ乗りが二人はいた。
一人はチビ。
一人はブサメン。
どちらも社交的で表面上は明るい人物に見えるのだが、どちらも共通して躁鬱の気があった。
おどけてみせ、そしてヒョウキンさの影に惨めな姿を感じたものだ。
おどけてみせ、そしてヒョウキンさの影に惨めな姿を感じたものだ。
コンプレックスの塊がオノレを押し付け、何かを誤魔化そうとするように躁になり体面を保つ、そして影では欝になる。
ジープなんて進駐軍でもあるまいに、決まってレイバンのサングラスであの古臭いカーキ色のジープにまたがっていた。
あれをカッコいいだなんてよく思えるなと、感心したものだ。
コンプレックスのために自分が崩壊してしまい、だからそういう「珍奇趣味」に向かわせるのかなと思っていた。なるほど、要するにこういう連中はチンドン屋なのだ。
ジープなんて進駐軍でもあるまいに、決まってレイバンのサングラスであの古臭いカーキ色のジープにまたがっていた。
あれをカッコいいだなんてよく思えるなと、感心したものだ。
コンプレックスのために自分が崩壊してしまい、だからそういう「珍奇趣味」に向かわせるのかなと思っていた。なるほど、要するにこういう連中はチンドン屋なのだ。
今で言えば妙なクラシックカーに乗っているいい年をした老人がいたりする。
革のツナギですっかり身を固めたハーレーに乗ったのが、これまた老人。
歳をとったら、なおさらコンプレックスが重くなってしまうのだろう。