オールドスパイス


 オールドスパイス。
 
 このボトルはいつ見ても変わっているなと感じる。

 ジュースと誤飲したという話は聞かないが、なんだか美味しそうなボトルだ。 とても整髪料には見えないボトルだ。

 子供の頃からずっと思っていた。

 ニューボトルというが、これも同じ。



 ひょっとしたら、このボトルデザインというのは、例えばキッコーマンの醤油瓶とか味の素の小瓶とか、デザイン的に素晴らしいものなのかも知れない。

 「昭和の遺物」として、後世に残すべきものなんじゃないだろうか。

 じっと見ているとそんな気さえしてくる。

 黒電話も黄色い公衆電話ボックスも、トヨタコロナだって、見れば昭和だとわかる。

 昭和特有のデザインとしてどこかにに残すべきかも知れない。

 ここでも広告を取り上げたことがあるがダブルステレオスピーカーのラジカセにしたって、ラテカセにしたって、昭和という過ぎ去った時代を確かに感じさせるデザインだ。




 そもそも、昔は子供は大人の使うところに近づきなどしなかったものだ。

 だからこんなボトルでも「誤飲」なんてことは起きようがなかった。
 

 「臭くて気持ちが悪い」、子供は大人に対しては常にそういうイメージがあった。

 親がトイレを使っていたりするとひどく臭いと思ったものだ。

 親でも教師でも、子供は常に疑いの目を向けていた。「くせえ」なんて、子供は大人の整髪料を嫌がった。


 今、 そう言われて避けられる大人がいるのだろうか。

 老人や人に加齢臭を感じるのはすでにシニアとなった連中だけで、今の若い人たちはそんなことは感じなくなっているのだろうか。



 我々が若い頃には少女がオヤジと付き合うなんて考えられなかった。
 そんなことをするのはハスッパな不良少女やいわくつきの娘。

 大人は常に胡散臭いものだった。大人と子供との接触というのはなかった。

 それこそ「人さらい」というのがあった時代だ。


 今は大人が「イタズラ」をすると言って子供に挨拶しても事件になる。

 しかしその一方で、大人の手が子供に気軽に伸びている気がする。AKBだなんて例にも挙げたくない。


 若者をターゲットにした商品、施設。あからさま過ぎて薄気味が悪い。

 今はテレビなんかでいい年をした大人が、「高校生の恋バナ」とか、わざわざそんな企画を持ち出す始末。
 大人の企画でダンスを披露する子供たち。

 実に気持ちが悪い話だ。


 今は昔より、大人が若者を食い物にする時代なのだろうか。

 今に比べれば、こんな整髪料をつけて大人の世界の男たちがカッコをつけ、臭い匂いをふりまいていた昭和の時代の方がずっと健全だったのかも知れない。


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