もはや伝説となったアグネス・ラム。
その可憐な顔立ちとナチュラルボディは日本に一大センセーションをもたらした。
ハワイから単にモデルとしてスカウトされただけの子が、ここまで話題となり、あがめられるかのようにハヤされるなど誰が予想したことだろう。
グラビアを飾りはしたものの歌も歌わなかったし、踊りも踊らなかった。喋ることもほとんどなかった。
まるで女神のように扱われ、番組にゲストとしてひっぱり出されても、たどたどしく喋るだけだったが、その姿は自然で作ったわざとらしさがどこにもなかった。
メディアの果たした役割も、広告で人気が出たため、そこにメディアが無様に追随したというだけでしかない。
その広告にしてもギミックをしかけたというものでもなかった。
今のようにメディアが大衆を扇動し、わざとらしく作り上げたものではなく、大衆がメディアを牽引したという点では画期的だった。
完全にメディアは敗北していた。
このアグネス・ラムのことは今のメディアにとって大きなトラウマになっているはずだ。
どこが良かったのか、何がそこまで大衆を熱狂させたのか、セックスシンボルでもなかったし、実に不可解な現象でもあった。
あえて言えばパールハーパーのハワイ出身、そして戦後日本の友好国となったアメリカのモデルが日本だけのために広告モデルをしてくれた、そんな親近感があったのだろうか。
こんなタバコのライターもまるで似合わない女性のはずだが、彼女を見せるというだけで広告になってしまった。
ハワイで結婚し、幸福に暮らしているという。
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