スキーチーム

 
 
 こんな古い時代からスキーというのはみんなで群れてやるという方向性があった。

 実際には滑ってみればスキーなど斜面と格闘する一人だけの世界、スピードの世界なのだが、そこを無理やり手をつないで滑る。

 そこには一種のマーケティングのようなものがあったのだと推察する。


 仲間だ、チームだ、ワイワイやろうじゃないか、なんて、楽しく感じられたのはこんな昔のことだからなのだろう。

 昔は今よりも孤独がきちんと受け容れられ、みながそれに耐えられた。それが当然のことだった。

 だからこそ、こういうチームみたいな演出には普通ではない魅力があった。


 今は絶望的なほどの孤独感と孤立が社会に蔓延している。
 人々には断絶があり、疑心暗鬼があり格差がある。

 ほとんどの者はその境遇から逃れようとし、群れたがる。

 だから逆に、猫も杓子も仲間だLINEだなどと上っ面ではつながっていて、表面的なつながりが多い。


 SNSなんてその最たるものだ。
 むしろこういう広告を見せられて今、魅力を感じるような読者などいないのではないか。

 白々しさ感じてしまうことだろう。そして仲間ならいるさ、と、具にもつかない呟きを取り交わす。




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