古臭い広告だから写真の出来は勘弁してもらう。
女性の感じも、少し出た腹の感じも、まさに昭和そのもの。
ここまでセンスが古いとセクシーさも何も感じない。
どこがというと、抱き寄せたくなる腰つきではないし、腹ばかりが目立つ。
幼女はよくこういう腹をして砂浜で遊んでいる。
そしてこの髪の毛のボリューム。
缶は昔ながらのリングトップに見える。
リングトップは悪夢だった。
リングトップはいちいち缶から分離するので捨てられてしまい、あちこちにゴミとなって社会問題になった。
この広告写真にもある浜辺なんかにそれが落ちていて素足の足を切ってしまう。
あれを捨てさせないように涙ぐましい啓蒙のような広告さえあったことを覚えている。
いわく、「開けたリングトップはこんな風に指輪なんかにして、飲み終わったら中に入れてネ」なんてやってた。
愚かな大衆はそれでもそこらに放り投げることを止めなかった。
勝手な時代もあったものだ。
次に押し込んで開ける方式のものが出た。
缶に切れ込みがついていて押し込んで穴を空けるものがあった。
最終的には主流はみなプルトップ方式になって、開けたものがそのまま缶に残る方式がほとんどになった。
全く見たことがない清涼飲料水だ。
ブランド力もなにもあったものじゃない。
そしてそれを持って微笑む女性もなんだか「紹介している」という感じ。
テレビ初期のような、いかにものポーズをキメている。
これから分かることは、この広告は、引き伸ばした大きなサイズのいわば同じもののポスター版もあって、部屋や店先に飾ってもらおうという意図があったのだろうということ。
だから商品が女性を邪魔しないようなレイアウトになっている。
若者が好みそうな、「女性の水着」というポスターを飾ってもらい、ついでに商品が写っている。
裸やエロすぎるのも困るからおとなしめの構図にしたというのもあるのかも知れない。
こんな広告写真でもよかった時代もあった。
広告にそれほど価値が認められなかった時代というのはあったのだ。
結局は営業が大事と、スーパーや酒屋に営業マンがこのポスターを手土産に持っていき、扱ってくれるよう売り込んだことが読める。
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